忘れる読書/ 落合陽一

「本なんか読んでも意味ないよ」

僕がこの業界に入った時に言われた言葉だ。
確かに、技術や実績がものをいう世界ではある。

しかし、それらを支える「器」として知識や教養、世界の様々な成り立ちを知ることは必要なのではないかとずっと感じていた。
なので、僕は読書を趣味として捉えることにした。趣味ならば誰に何を言われる筋合いはない。

今回読んだ本は落合陽一さんの「忘れる読書」
落合陽一さんといえば、今では知らない人の方が少ないくらい有名な若手研究者だ。

本書は落合陽一さんの膨大な見識とユニークな発想はどのようにして作られてきたのか?
それを理解することができる本である。

落合陽一さんの父親は国際ジャーナリストや小説家としても有名な落合信彦氏で
小学生の頃に父に「ニーチェを読まないやつとは話さない」と言われ
落合陽一さんは小学生ではじめてニーチェに手を付けたそう。

僕もかじった程度にしか読んだことはないけど
小学生に理解できる内容じゃない(笑)

著者は父親の影響もあってか、古典名著を沢山おすすめされている。
大学時代は年間、岩波文庫を100冊以上読んだそうだ。
岩波文庫の古典は非常に難解で読み解きにくいので相当な読解力が試される。

本書を読んでユニークだなと感じた点として
読んだ本は「忘れていい」という考え方だ。

丁寧な通読。
要約をノートにまとめたり、付箋を貼ったり、線を引いたり
人によって読み方は様々だが
本書では雑多でスピード感のある読書を紹介している。

興味のない本は数ページ読んで積ん読
ペラペラとめくって速読による周回読み
殆どの本は1割弱しか読まないそうだ。

これは割と年数百冊を読む人の特徴的な部分で
圧倒的な知識量により、無意識に知っている情報の取捨選択ができるようになり読むスピードや1冊の本にかける時間が縮まる。

では、膨大な読書量は頭に入っているのか?
いや「忘れている」
しかし、ここでいう忘れるというのは「思い出せない」だけであり
脳内には残っている。
人間の頭はGoogleのように検索してピンポイントで情報を引っ張ることはできないが
ある事象を知ることで有機的に繋がり、思い出し、関連づけて新しい知識を生み出すことができる。

つまり、落合陽一さんの言う読書は
様々な事柄を脳内に登録していく作業に近いのかもしれない。

「すべてのアイデアは既存の組み合わせである」
ジェームスWヤングが書いたフレーズだ。

アイデアの源泉として本は圧倒的な力を生み出す。

では、「ネットやテレビや動画でもいいじゃん」という声も聞こえてきそうだ。
まず、ネットは情報が断片的なのでピンポイントで知りたいことを知るには一番効率的な場所だ、しかし体系的にまとまった情報を知りたい時は断片的な情報を繋げる作業が必要であったり、深い考察や裏付けのある情報を得ることは難しい。(ノイズが多すぎる)

テレビや動画はどうだろう?
昨今、アマゾンプライムやネットフリックスでも高品質なドキュメントが配信されていたり
youtubeでは本の要約チャンネルや研究者による興味深い動画が発信されている。

これらは非常に有益である。
落合陽一さんも動画による情報収集は推奨しており、
自信もウィークリーOCHIAIでの動画配信を行っている。

しかし、本と比べると圧倒的に世に提供されている情報の幅も深さも違う。
本はありとあらゆる分野の専門的な知識を得ることができる。(あと十数年経てばAIが自動的に音声化や動画化しているかもしれないけど)

要約チャンネルも副次的に利用するなら有益だけど
あくまで作成者のバイアスが入った要約であり、自分で読み咀嚼した上で要約しなければ知識のつまみ食いになる。
専門家の動画チャンネルも興味深いものが多い。
しかし、エネルギーや調査量は一冊の本と一本の動画では比較にならないだろう。
どうしても既存の情報を組み合わせたキュレーション的なコンテンツが多い(そういう本も増えているけど)

本書は「何のために本を読むのか?」という問いに落合陽一なりの答えを返してくれる。
決してトレースできる内容ではないけど、その考え方は意識が高い人にとって有益な道を示してくれるだろう。

 

 

 

熊本でホームページ制作するならZOOTRIPPERへ!

ZOOTRIPPERは地元熊本に根ざしたホームページ制作を中心に
広告全般のご相談を受けてます!
【ホームページ制作実績100件以上】
お気軽にお問い合わせください!


お問合せはこちら

制作実績はこちら!

ホームページ制作やホームページを彩るオモシロコンテンツ制作まで幅広く制作しています。
ぜひ覗いてみてください!

制作実績

 

代表プロフィール


ZOOTRIPPER代表 野田陽介
1986年生まれ
電子ビジネス専門学校ITビジネス科卒業
—————————————————————-
熊本の広告代理店でwebデザイナー、webディレクターとして勤務。30歳の時に独立し
ZOOTRIPPERを設立。県内を中心に100件を超えるホームページ制作を行う。
ホームページ制作に留まらず企業の広報全般や企画をサポートするのが得意です。
・電子ビジネス専門学校非常勤講師(ITビジネス科/総合ビジネス科)
・WHITEBESS校長

 

 

 

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

アーカイブ

PAGE TOP