ウェブサイトにおけるデザインの役割

「デザイン」
ウェブサイトの品質を上げる上で非常に重要な要素のひとつである。
しかしデザインは取り扱いが難しい要素でもある。

その理由として「いいデザイン」の定義が曖昧だからだ。
例えばお洒落な3階建てのカフェのような家を良いデザインと思う若い夫婦がいたとしよう。
しかしその家は70歳の老夫婦にとって良いデザインだろうか?

ディズニーランドに美術館のような重厚で整然としたデザインは必要か?

車にしても、古いクラシックカーが好きな人もいればテスラのような先進的なデザインが好きな人もいる。

こと、ウェブサイトのデザインにおいても同じだ。
デザインに着手する前に前段階をしっかり考える必要がある。

ウェブサイトのターゲット、目的、ポジショニング、競合調査、与えたい印象、企業の風土、商品の背景など
そういった要素を考慮した上でデザインに着手する必要がある。

デザイナーには「得意分野」があることが多い。
イラストレーターを想像してもらうと分かりやすい。
有名なイラストレーターは絵を見ただけでその人のイラストと分かるくらい個性が強い。

デザイナーも同様に得意なテイストにどうしても寄ってしまう傾向にある。

時折、器用に幅広いテイストをこなすデザイナーもいるけど、得意なテイストにはまったデザイナーと比較すると品質の差が生まれるのが現実だ。

 

ディレクターは、このデザイナーの特性をしっかりと観察し理解することが求められる。
その上で、プロジェクトにおけるデザインの方向性を策定し分かりやすく言語化することが理想だ。

言うのは簡単だが、実際このディレクターがデザインを理解するというのはとても難易度が高い。
各分野における「いいデザイン」を判断する目の良さと
目的にあっているかどうかの思考力と判断力が必要だからだ。

圧倒的にクオリティの高いデザインを目にした時に、その思考力と判断力は無力化されることがあり
これはディレクターだけではなくクライアントも同様だ。

圧倒的にクオリティが高いかつ、方向性がズレたデザインは凶器になる。
例えば親近感や細やかなフォローが魅力のスポーツジムがラグジュアリーでシンプルなデザインのウェブサイトを作ってしまったらジムの魅力とデザインが相反してしまいウェブサイトからの問い合わせは減少することが考えられる。

仮に問い合わせがあったとしてもリアル店舗を見た時にウェブサイトとの印象の違いで入会率が下がるだろう。

こういった現象を回避するためにディレクターは常に中立な立場でデザインを見る必要がある。

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