先日WHITEBASEで佐賀のクリエイティブユニットTuiiさんにご登壇いただいた。
非常に素晴らしい話を聞けて勉強になった。
それと同時に感じたことがある。
それは、デザインと哲学の関係性についてだ。
tuiiさんからおすすめされた本があるそれは日本の哲学者木田元さんの書籍である。
僕の父は哲学の本を読んでいる人で、子供の頃から本は沢山あった。
その影響からか10代のころに初めて哲学の本を読んだ。
初めて読んだ本はソクラテスの弁明。
それからニーチェやカントを読んだ(カントは全く分からなかったけど)
その後、ウェブ制作の仕事について、デザインやクリエイティブと関わりながら感じていた問があった。
それが哲学とデザインの思考アプローチが似ている点だった。
デザインはアートとは違い、商業を意識しなければいけない。
特にウェブ制作はその色が強かった。
なので最初はマーケティングを学びはじめた。
マーケティングの明確で実践的な手法やロジックも非常に面白かったんだけど、
第一線で活躍するデザイナーの思考はビジネスロジックというよりも、どこか哲学的アプローチに感じた。
物事の根源的な問いを行い、本質的な表現を追求する姿勢である。
ソクラテスは真理の追求のため、毒杯を選択した。
デザインの真理を追求するために、デザイナーはときにビジネスロジックを越境し哲学へとたどり着くと思う。
そこには目先の利益や表面的な都合や感情を削ぎ落とし、
「本当に良いものはなにか?」という本質的な目的を追求する。
その姿はまさに哲学者のようだ。
tuiiさんの講演を聞いて僕はそう感じた。
そして哲学的アプローチはクライアントの課題解決において根本的な問題を発掘したり
継続的な繁栄をもたらすために必要な教養ではないかと思う。
僕は講演の次の日に木田元さんの反哲学入門を購入した。
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