初の女性首相が誕生し、期待と不安が渦巻く2025年ですが
高市首相の一言からワークライフバランスについての議論が再燃してますね。
このへんの話って僕が制作業界に入った頃かなり盛んに議論されていて、数年かけて業界全体の残業時間が減っていったのを垣間見てました。
制作業界の昔のワークライフバランス
ちなみに、僕が広告代理店の会社員だった頃は、早くて9時〜20時くらいで忙しくなってくると23時くらいまで会社にいることが多かったです。
拘束時間でカウントすると11~14時間くらいです。ただ基本休日や祝日は休めてました。
仕事の持ち帰りはしてなかったんですが、仕事の連絡は業務外でも対応してました。
ウェブ制作の場合、これは仕方ないのかもしれないです。
でもこれはマシな方で、もっとキツめの制作会社だと日付変わるのは当たり前で、繁忙期は徹夜や休日出勤もあるような会社が存在していました。
正直こういった働き方はスキル云々というよりシンプルに心身が強い人だけが生き残っていく力学が働いてしまうので業界全体が収縮してしまうんじゃないかと感じていました。
環境が整っていて人生を投下できる人じゃないとできない仕事になってしまい、時短で働きたいとか結婚した後に子育てしながら働きたいといった労働力の需要を取り入れることが難しくなり労働人口が減るほどにプレイヤーが減っていく自体になるだろうなと思っていました。
なので、労働環境が改善されて残業が減り、様々な環境の人が参入できるようになった今の状況はすごくいいなーと思います。
ハードワークの現場はほんと普通に死人が出るので今くらいがちょうどいいです。
フリーランスのワークライフバランスは?
とはいえ、僕らフリーランスの世界は自分のワークのバランスは自分で考えないといけません。
実際、フリーランスや経営者はワーカホリック(仕事中毒)になりがちで働く時間がライフを侵食しがちです。
では、僕はどんな感じなのかというと
基本は9時に仕事スタートします。
そして何もなければ20時に家に帰って21時まで家族と過ごすのがデフォルトです。
仕事が忙しくない時期はこの時間で回して、週に二回くらい格闘技の練習に行ってます。
土日祝日は休みます。
就業中もずっとデスクとにらめっこしてるわけではなく、友人とご飯を食べに行ったり、髪切りにいったり、散歩したりと息抜きもしてます(忙しくない時に限りますが)
フリーランスの中では割とゆるっとしたやり方かもしれないですが、僕はこのくらいのペースで続けていくと仕事の効率が一番いいなーと気づいたのでここ数年は変えていません。
フリーランスになりはじめの頃は毎日23時くらいまでやってたんですが、時間を伸ばしたところで能率が上がるわけでもなく、家族で過ごす時間や趣味や人と交流する時間が減ってしまい、結果的に体調崩したり人が離れていってしまったりと良いことがあんまりなかったんですよね。
ワークライフバランスは定義しにくい
ワークライフバランスの定義を調べると
ワーク・ライフ・バランスとは、「仕事と生活の調和」を意味し、仕事での責任を果たしながら、子育て、介護、趣味、自己啓発など、仕事以外の生活も充実させられる状態を指します。このバランスは、個人の希望やライフステージに応じて多様な働き方や生き方が選択でき、仕事と生活の両方が好循環を生み出すことを目指します。
と出てきます。
言ってしまえば人によって全く定義が変わるわけです。
昔はこのバランスを考えることなく、慣習的に働きまくるのが日本の社会でした。
そして現場では質より量、つまり労働時間が評価されやすい無意味な基準があったりと弊害も多かったと思います。
今、ワークライフバランスが議論されている背景には、WLBの考え方が原因で沢山働くことが悪とみなされたり、成長するきっかけが減り、スキルやメンタルの強さが削がれてしまっている側面もあるんじゃないかなと思います。
実際、ハードワークから得られるものも多く、一時的に修行のような形で経験するのは重要だと僕は感じます。
ここで重要なのは、ハードワークがデフォルトになるのではなく、修行のように期間を決めて行える環境や文化が整っていることです。
ハードワークの螺旋から抜けた瞬間に脱落者になるような業界ではプレイヤーが増えず、衰退してしまいます。
フリーランスのワークライフバランスは自己責任
では最期にフリーランスはWLBをどのように取っていくのが正解なのかについて考察したいと思います。
結論、働く時間を増やすのではなく「考える時間」と「勉強する時間」が大事です。
例えるなら働く時間を増やすことは目的地まで走る時間を増やすことです。
考えたり、勉強をすることは自転車の乗り方を覚えることだと思います。
つまり短期的には労働時間を増やしたほうが利益がでますが、中長期的に考えると仕組みを考えたり、勉強して新しい知識やノウハウを得ていくほうが遠くへ進める可能性が高くなります。
フリーランスは特に、失敗も成功もすべてが自己責任です。
家族で遊びに行った旅先でアイデアを思いついたり、パパ友と意気投合して仕事へ繋がったり、家族が寝た後に本を読んだりと仕事以外の時間の使い方で大きな差が生まれると思います。
昔、メディアアーティストの落合陽一さんが言ったフレーズが一番しっくりきます。
「ワークライフバランスじゃなくてワークアズライフ」
ワークとライフの境目が曖昧になって溶け合っている状態という意味です。
職種にもよりますが、僕らの業界は少なくともワークアズライフの考え方の方がうまくいくなと僕は思います。
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