企業と、行政と、デザインと。

春一番が吹き荒れるなか
自転車で訪れたのは城彩苑。 

一分咲きの桜を横目に
城彩苑で行われたセミナー
「企業と、行政と、デザインと。」へ行ってきました!

 

 

 

 

 

 

テーマは「企業と、行政と、デザインと。」

 

講師はこの方です。

【中村友香プロフィール】
1983年生まれ。広報デザイナー。福岡の制作プロダクションで勤務後、東日本大地震を機に 2015年松浦市に地域おこし協力隊として移 住 。現在 、松浦市役所政策 企 画課に所属し 、市の魅力発信 ・ 魅力創造事業「青の大学 」など広報業務を担当。また、福岡時代からK-ADCに所 属、運営委員を務める。昨年10月から今年1月にかけて、九州5県で行政と企業とクリエイターと でぶっちゃけ本音トークを交わすイベント“九州デザイン横丁”を企画・運営。150名以上の各地の方々やK-ADC会員の声を聞き、これからの地 方とデザインの関係を考え行動する一人。
=========================================

 

テーマは固いですが(笑)
実際の話はそんなことなかったです。

 

行政、企業、クリエイターと
各々のポジションにおける考え方の違い
それによっておきる衝突や解決のケーススタディなんかを優しい語り口で話して頂きました!

 

 

 

 

 

 

流れで一番前に座ってしまった

 

会場に入ると知っている人が何人も
コピーライター、グラフィックデザイナー、ウェブデザイナーと様々な業種の先輩方が来てました。

 

それだけでなぜか緊張していると。

 

「どうぞどうぞ!」

と案内の人に扇動されるがまま
センターの一番真ん中の席へ

 

メモ用にPCを開くのも緊張。
手汗で湿るMBP

 

AppleWatchマナーモードにしようとして
間違って「iPhoneを探す」を押してしまった為に
静寂の中で鳴り響く「つぃいいいいん!」という音。

 

そして、セミナーはJAM小山田さんの進行で始まりました。

 

 

 

 

 

 

 

デザイン横丁って知ってる?

 

中村さんは九州を行脚して、
企業と行政とクリエイターをぶっちゃけトークさせる「デザイン横丁」という
中々ハードコアなイベントをされています。

 

大体にしてセミナーは先生対その他大勢の構図になりますし
あんまり空気が凍るような質問はできない雰囲気になります。

 

その壁を「ドカン」と壊して
フラットな空気で話し合おう!というイベントです。

 

すでに
鹿児島、福岡、佐賀、大分、長崎で実施されていて
各県とも通常ではあり得ない白熱した議論が展開されたそうです。

 

 

 

 

 

 

デザイン横丁で多かった質問ベスト3

 

第三位!
【行政】デザイン予算がつきません!
僕は行政の仕事はあまりしたことが無いのですが
行政の仕事では、まだまだ「デザイン」に対して予算を持ってくるのがとても難しいようで、担当職員がデザインやブランディング、事例をどんなに勉強したとしても決済者の承認が下りなければ実行することができない、というジレンマがあるようです。

 

 

 

第二位!
ロゴいくらでつくってくれますか?
クリエイティブの成果物は定価があってないようなものです。
ウェブもロゴも車や家と違って「モノ」として存在しない分、価値の振れ幅も人のモノサシによってかなり差がでます。
「ロゴひとつ5000円くらい?簡単なやつ!ちょちょっと!」
みたいなことはよくあります。
ウェブサイトで50万というと
「ボッタクリなんじゃない?」
っていう人もいます。

 

だた、それはその人達が悪いわけではなく
きちんと価値を説明していく必要があるというだけです。

 

中村さんの話の中で
東京から大分に移住したデザイナーが
「受注単価が十分の一になってしまった」
という話がありました。
つまり、デザイン費用は地域間格差がかなりあります。

 

中村さん自身も
移住した松浦市での仕事で報酬は現物払いなんてこともあったそうで、それでも信頼関係を築いていき、一緒に仕事を作っていくくらいの気持ちでともに歩くことが大事であると話していました。

 

 

 

第一位!
デザインってなに?

 

これは人によって様々な意見があるかと思います。
僕は前の会社で教わった
「問題解決の手段」
というのがしっくり来ました。

 

中村さんがそこで「デザイン思考」について説明されました。
実際、ロゴやウェブやグラフィックで成果物を生み出す場合、「制作する時間」というのは三分の一程度であり
残りの三分の二はヒアリングし課題を抽出し表現へ落とし込むまでの「思考」です。

 

その思考する時間を蔑ろにし
今流行りのものをバズらせる目的で大量の予算を投下し、仮に沢山の認知を広めたとしても、それは一体「誰のためのメッセージなのか?」ということになります。

 

自分の尊敬するマーケティングの先生が
「マーケティングとはラブレターを送ることだ」
と言ってました。

 

デザインも同様に、
相手のことをしっかりと考え抜いた成果物は必ず刺さる

 

例えとして

熊本は食べ物が美味しくていいとこ!
というメッセージを100人に伝える施策よりも

熊本のデコポンは世界一ウマイ!
と一人に伝える施策の方が

ターゲットの心に深く突き刺さり
その一人が多くの人に布教してくれると話されていました。

 

 

 

 

 

 

重要なのは選択と集中

 

デザイン横丁をしていて九州の中で一番議論が盛り上がり、デザイン感度が高く、行政、企業、クリエイティブが一体となってる県は鹿児島だそうです。

 

鹿児島は
「食とデザイン」
というテーマのもと三位一体でブランディングを行っていて実際、鹿児島には「食」を求めて多くの人が観光に来ています。(僕も鹿児島には食のイメージが強くあります)

 

デザインの成果物の質も高いそうです。

つまり、「食」を選択し
そこに資源を「集中」することで
尖り様々な人の心まで届くということです。

 

これはフリーランスにも言えるなーと感じました。
「何でもできます」っていうと以外と仕事来ないんですよね(笑)

 

 

 

 

 

 

 

大炎上。九州統一的ロゴマーク

 

年明け早々に大炎上したのが
「九州統一的ロゴマーク」
福岡市がweb上で「意見募集」したものですが
サンプルロゴのクオリティや
募集要項の分かりにくさ
意見なのかロゴ自体の応募なのか
などなど物議を呼んだ案件です。
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/kyushulogoiken.html

 

確かに、僕でも見た瞬間
「これは炎上するだろうなー」
と思いました。

 

 

セミナーでもこの話題になり
小山田さん、中村さんのこんな話がありました。
————————————————————————
この問題の重要な点は
サンプルロゴのクオリティや募集要項の分かりにくさではなく、「この内容を書かざる負えなかった仕組みにある」
つまり、様々なステークホルダーに向けて承認を取っていく工程を経ると、このような結果になってしまう。
オリエンの段階で、アートディレクターなり制作会社へ相談していればこのような結果にはならなかったと思う。
————————————————————————

 

 

つまり今回のテーマである
「行政、企業、デザイナー」の協力体制が取れていれば避けられた炎上ということです。

 

ミスが一瞬で拡散される時代において
この連携は重要度を増していると感じます。

 

 

 

 

 

 

【まとめ】

 

クリエイターだけ、企業だけ、行政だけのセミナーは結構ありますが、三業種向けのセミナーは新鮮でした。
クリエイターだけでも
ウェブ、グラフィック、コピーライター、カメラマン、映像などなど
スタンスや年代によって全然意見が違ったりします。

 

そういった業種や年代の壁を取っ払ってフラットに相互理解ができるコミュニティやイベントは地方が特色を活かして生き残っていく上でとても重要だと感じました。

 

以上。
今回は真面目なズートリ野田でした。

関連記事

  1. ディレクター勉強会

  2. 最近よく広告で見る「誰でも○ヶ月でホームページがつくれるようになる」っ…

  3. まこと屋さんと地鶏と海。

  4. タッキューの裏側

  5. GW明けの忙しさ!

  6. 子どもたちに悪魔を書いた

  7. 専門学校の非常勤講師をはじめてもうすぐ10年。

  8. ホームページ制作でフリーランスになるのは何歳がベスト?

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

アーカイブ

PAGE TOP